幕末期の八代城を描いたものである。現在は石垣と内堀だけの八代城であるが、城として現役だった頃は、こんなに立派な姿をしていたのである。

さて、この絵をまじまじと見て欲しい。何かお気づきになられないだろうか? そう、天守閣(てんしゅかく)がない! 正確に言うと、土台(天守(てんしゅ)(だい))はあるのに、建物がない。さては、絵描きの手抜きか?いや、ほんとうに無かったのだ。八代城がつくられたのは、元和八年(一六二二)のことである。そのとき立派な天守閣がつくられたのだが、寛文十二年(一六七二)の落雷で焼失してしまった。その後は再建されなかったので、この絵には天守閣がないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

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