これは、八代城に備え付けられていた大砲である。

まずは、銃口をご覧いただきたい。銃口の直径は、三・八p。ということは、この銃口からは、直径三・八p弱の砲弾が、発射されるということになる。私達がもつ大砲のイメージからすれば、やや小規模だ。この大砲は、(ひゃく)(もんめ)(だま)(重さ三百七十五gの砲弾)を撃つためのものである。

ところで、この大砲は、八代城代松井(まつい)章之(てるゆき)が、武蔵国(むさしのくに)川口(かわぐち)埼玉県川口市)の職人増田安治郎に発注して、つくらせたものである。川口市といえば、映画「キューポラのある街」の舞台となったことで有名だ。川口は、昔から(なべ)(かま)などの鋳物(いもの)生産がさかんで、幕末期には、このような大砲もつくられていた。

 

 

 

 

 

 

 

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