刊行物番号 |
「妙見信仰と八代」25 |
作品名 |
妙見尊像 |
作品名フリガナ |
ミョウケンソンゾウ |
制作年 |
江戸時代(18世紀) |
品質・技法・形状 |
絹本著色 掛幅装 |
法量 |
縦43.7 横21.0 |
作家・作品解説 |
動的な「麁乱妙見尊像」とは対照的に、岩上の亀蛇に直立する静的な妙見画像である。髪を垂らして唐服をまとい、右手に剣、左手に宝珠を持っている。頭の周りに描かれた七つの円は北斗七星を意味する。 古代中世において、妙見菩薩の姿は、「木造妙見菩薩坐像」、「妙見菩薩図像」、あるいは「尊星王像」のように、二臂(腕二本)、または四臂の菩薩形にあらわされてきた。近年の山下立氏の研究により、それが鎌倉時代以降、「大将軍神像」や「鎮宅靈符神像」などの影響を受けて、新たな姿で表現されることが指摘されている。その主な特徴は、@披髪(髪を結わない)、A甲冑をまとう、B亀蛇に乗ることだという。 現在、八代地域に伝来する妙見菩薩の画像および彫刻は、@披髪、A甲冑をまとう、B亀蛇に乗るという三つの法則をおおよそ満たしている。着衣に関しては、甲冑をまとう像、唐服をまとう像、あるいは甲冑の上に唐服をまとう像がある。手には剣を持つ。その持ち方は頭上にかざす、胸前で剣を上向きに持つ、剣先を地に付けるパターンがある。左手に宝珠を持つ像もある。 仏画として描かれた妙見菩薩の残存例は極めて少なく、管見の限り、八代においては「麁乱妙見尊像」と本品、そして日蓮宗・本成寺(八代市)に伝わる妙見菩薩像が知られるのみである。
(2021年秋季特別展「妙見信仰と八代」展示図録より)
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数量 |
1幅 |
備考 |
2021年「妙見信仰と八代」出品 |
分類名 |
美術 |
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