平成13年度秋季特別展覧会 八代の歴史と文化11
極楽浄土の世界
―浄土教の美術―
平成13年(2001)10月19日(金)〜11月25日(日) |
■この世をはかなみ来世に極楽往生を願う
八代市立博物館未来の森ミュージアムの秋季特別展覧会は、独自に調査した郷土の歴史・文化を、日本史・日本文化史の中に位置付ける独自の試みとして、毎年好評を博してまいりました。本年度は、日本文化史上重要な位置を占める仏教美術の中から、極楽浄土の世界を紹介いたします。
昨今の先行きの見えない世の中では、心の癒し・平安を求める声が日々高まっているように感じられます。そして歴史を振り返れば、天災・疾病・あるいは人々の政権争いが続いた時代、現代以上に混沌とした時代は幾たびもありました。人々は「生」「老」「病」「死」の苦しみを日常的に目の当たりにし、そのような時代、人々が見出した希望の光が、来世において極楽浄土へ往生するという浄土教の教えだったのです。
併せて、県内初の試みとして、肥後ゆかりの作品を通じて、熊本・肥後における浄土教の展開をたどります。肥後では、平安時代以降に天台宗寺院が建立され、この頃から本格的な浄土信仰が始まったと考えられます。続く鎌倉時代には、法然上人の高弟鎮西(弁阿)上人が肥後の往生院で『末代念仏授手印』を撰述、浄土宗鎮西派の祖として肥後に貴重な足跡を残しています。また、近世には浄土真宗寺院が多く建立され、現代に至るまで厚い信仰が続いています。本展では、熊本県立美術館や八代市立博物館未来の森ミュージアムが開館以来進めてまいりました寺社調査等の成果をふまえ、県内に伝来する浄土教美術の作品を紹介いたします。
この展覧会を通じて、私たちは、過去に生きた人々の心の営みをたどり、これからの生き方を考えるうえで、大きな示唆を得ることができるものと存じます。
◆出品リスト(PDF)◆
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■休館日 |
毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
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■開館時間 |
9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
■入館料 |
一般600円 高大生400円 小中生200円
*20名以上の団体は2割引、11月3日(文化の日)は無料公開
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特別講演会
八代市立博物館講義室 ※聴講は無料
■特別講演会 平成13年10月20日(土)13:30〜
「浄土仏教の発想」
講師 末木文美士氏(東京大学文学部教授)
■特別講座 平成13年11月18日(日)13:30〜
「極楽浄土の世界を絵解きする」
講師 石原浩(本館学芸員)
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「極楽浄土の世界」展覧会図録 発売中(1,500円)

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京都・奈良に伝来する国指定重要文化財をはじめ、九州・熊本に伝わる浄土教の遺品約50件を紹介している。A4版・131頁・1500円(送料350円)・550g
郵送での購入をご希望の方は、書名・冊数・送付先・電話番号を明記の上、現金書留にて代金1,500円(現金)と郵送料350円(切手)を八代市立博物館までお送りください(〒866-0863 熊本県八代市西松江城町12-35)。 2冊以上お求めの場合は送料が異なりますので、事前に電話0965-34-5555にお問い合わせください。
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