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水辺に橋がかかっている。
杜若(かきつばた)が咲いている。
冠が置かれている。 |
伊勢物語 第九段 「から衣」
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昔ある男(在原業平といわれる)が、旅の途中、杜若(かきつばた)の名所三河国八橋に来て、「かきつばた」を読み込んで、旅の心を詠いました。
から衣きつつなれにしつましあれば
はるばるきぬるたびをしぞ思ふ
(歌意:着慣れたから唐ごろも衣のように慣れ親しんだ妻を都に残し、はるばるとこんなところまで来た旅が、なんと悲しく思われることか) |
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松井文庫所蔵「伊勢物語絵巻」も展示します。
解説シート(pdf) |
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左にあるのは御所車(ごしょぐるま)
右にあるのは、蓑(みの)と笠(かさ) |
能「通小町」(かよいこまち)
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平安時代の歌人で、美人の代名詞ともいわれる小野小町に恋をした深草少将は、「百夜通ったらつきあってあげる」という小町を信じ、雨の夜も雪の夜も通い続けましたが、九十九夜目に思いをは果たせぬまま死んでしまいました。
という伝説をもとに作られた能「通小町」にもとづく文様。
御所車は、小町が乗っていることを暗示し、蓑と笠は、やつれた姿で小町のもとへ通い続ける深草少将をあらわしています。
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お屋敷の縁側
庭に虫かご |
源氏物語 第二十八帖 「野分」(のわき)
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激しい嵐(野分)が吹き荒れた翌朝、秋好中宮(六条御息所の娘)の屋敷では、少女たちが庭に出て虫かごの虫に草の露を与えています。
という場面。光源氏は、中宮への見舞いを息子夕霧に命じますが、夕霧の物思わしげな様子が気になっています。 |
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松井文庫所蔵「源氏物語小屏風」も展示します。
解説シート(pdf) |
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菊の花が咲いている。
硯と筆が置かれている。 |
能「菊慈童」(きくじどう)
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中国・周の穆王(ぼくおう)に仕えていた者が、皇帝の枕をまたいだ罪で山中へ流され、その地で菊の葉に法華経を書いて川の流れに浮かべたところ、葉から滴るしずくが不老不死の薬となって、それ以来年をとらない仙人になったという物語。
八代では、妙見祭に出される笠鉾「菊慈童」でおなじみです。
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