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八代市の文化財
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第2常設展示室



松井家のお嫁入り  婚礼調度や衣裳など
平成18年2月7日(火)〜平成18年3月26日(日)

展示の様子を伝えるニュース映像(RKK)
 「城下町八代のお雛祭り」(2月5日〜3月5日)の開催にあわせ、松井家に伝えられたお嫁入り道具や、夫人たちの衣裳や装身具などを展示しています。
 これらは、松井家に輿入れした夫人が持参したり、お祝いや遺品として藩主夫人から拝領したりしたもので、婚礼道具一揃い、小袖や帷子などの衣裳、筥迫や煙草入、髪飾りなど、さまざまな品が残されています。いずれも保存状態がよく、細工もこまやかで美しく、当時の工芸技術の高さをご覧いただけます。

 松井家歴代の夫人は、次のような方々でした。
当主 夫人 略歴
康之
(1550〜1612)
自得院
(1560〜1641)
沼田上野介藤原光長の娘、細川家初代藤孝夫人光寿院の姪。永禄12年(1569)縁組。元和6年(1620)から証人として江戸住。江戸で没す。82歳。
 子供 興之(戦病死)
     興長(二代)
     いと(吉田盛方院妻)
     たけ(長岡右馬助重政妻)
興長
(1582〜1661)
古保・恵妙院
(1585〜1658)
細川家二代忠興(三斎)の三女。慶長3年(1598)婚礼。享年74歳。
寄之
(1616〜1666)
細川忠興六男
古宇・崇芳院
(1624〜1711)
長岡(三淵)右馬助重政の娘。康之孫にあたる(母は康之娘たけ)。寛永14年(1637)春婚礼。松浜軒はこの崇芳院のために直之が建てたもの。享年88歳。
 子供 直之(四代)
     正之
     万(細川修理尚房妻)
     滝(細川将監興之妻)
     千(早世)
     津屋(長岡左門興知妻)
     国(山名十左衛門重澄妻)
     屋久(裏松宰相意光妻)
直之
(1638〜1692)
房・信得院
(1650〜1678)
烏丸大納言藤原資慶の娘。忠興のひ孫にあたる。寛文3年(1663)12月18日婚礼。享年29歳。
 子供 加奈(松木中将宗顕妻、後沢村大九郎友朗妻)
     寿之(五代目)
     万(細川大膳尚方妻)
寿之
(1668〜1745)
もと(菅)・慈雲院
(1673〜1751)
長岡左門興知(細川一門刑部家)の娘。元禄7年(1694)4月9日婚礼。享年79歳。
 子供 津勢(長岡丹波是春妻)
     女子(早世)
     布佐(続弾右衛門房曹妻)
豊之
(1704〜1771)
ふう・光華院
(1713〜1736)
細川采女正利昌(新田支藩主)の娘。細川家六代宣紀の姪。享保20年(1735)婚礼。初産で母子とも没す。享年24歳。
営之
(1737〜1808)
久美・慈明院
(1745〜1765)
長岡(米田)助右衛門是福の娘。宝暦13年(1763)婚礼。享年21歳。
 子供 古宇(長岡刑部興禎妻)
    てる・貞照院
(1753〜1808)
分部若狭守光命(大溝藩主)の娘。明和4年(1767)婚礼(継室)。享年56歳。
 子供 誠之(古城家へ養子)
     男子(早世)
徴之
(1766〜1826)
りの・明鏡院
(1769〜1798)
有吉四郎右衛門立喜の娘。寛政元年(1789)婚礼。享年30歳。
 子供 美屋(長岡刑部家興禮妻)
     利代(古城六代目義之妻)
     存之(江戸参府の道中病死)
     女子(早世)
     双子:満喜(郡九郎太郎真紹妻)・多喜(三淵永次郎澄瑞妻)
     八代(九代目督之妻)
督之
(1796〜1840)
古城家賀之二男
八代・松月院
(1798〜1831)
松井徴之の五女。文化13年(1816)6月13日婚礼。享年34歳。
 子供 千代(高木健三郎忠顕妻)
10 章之
(1813〜1887)
琴・貞操院
(1813〜1848)
細川長門守興建(茂木藩主)養姪。天保9年(1838)8月13日婚礼。毎年松浜軒に飾られる天保10年(1839)製の古今雛は、この夫人が嫁いで初めての雛節句を祝うため京都で作らせたもの。享年36歳。
 子供 加屋(沢村大九郎妻)・・・天保11年(1840)製の古今雛、三ツ笹紋唐草蒔絵婚礼調度持ち主
     恒(朽木昭清妻)
     盈之(十一代目)
     綏之(大木家へ養子)
     吉(早世)
     直(有馬内蔵助恭秋妻) 
11 盈之
(1843〜1916)
つち・貞観院
(1848〜1893)
細川長門守興建(茂木藩主)の娘。文久2年(1862)11月23日婚礼。享年46歳
 子供 敏之(十二代目)
     こう(有馬守孝妻)・・・元治2年製(1865)の古今雛持ち主
 このうち、もっとも関係品が多く残っている方は、松井家十代目章之夫人の貞操院です。
 貞操院は、細川家初代藤孝の二男興元(三斎の弟)を初代とする下野国茂木藩主細川家の出身で、章之との縁組は細川家十二代斉護の勧めによります。箱書きや包み紙に「貞操院様お持ち越し」「貞操院様おゆつり」と書かれているので、この方の持ち物であったことがわかります。
 また、細川家の家紋である九曜紋や藩主夫人の実家の紋がついた品があることから、藩主夫人から拝領したものも多いことがわかります。実際に、貞操院婚礼の際には、斉護夫人顕光院や十一代斉樹夫人蓮性院、細川九代目治年の娘で京都の久我家に嫁いだ就姫らと面会する機会があり、そうした折にいただくことが多かったのでしょう。拝領品であったためか、ほとんど使用せずに大切に保存されており、当時のままの色あざやかさをまのあたりにすることができます。
作品名 品質・形状 時代
三ツ笹紋唐草蒔絵婚礼調度 黒漆地 貝桶・厨子棚・黒棚など44種がのこる。松井家10代章之と貞操院の間に生まれた長女加屋の婚礼調度と考えられる。 江戸時代後期
萌葱地秋草文様小袖 縮緬地 綿入 九曜紋付 江戸時代後期
紅地藤に燕文様掛下帯 紋縮緬地 刺繍 江戸時代後期
紫地御所解文様小袖 縮緬地 綿入 菊に唐団扇、筆、硯を配し、謡曲「菊慈童」を表す。 江戸時代後期
萌葱地御所解文様小袖 紋縮緬地 九曜紋付 綿入 邸内に唐冠、屏風を配し、謡曲「咸陽宮」を表す。 江戸時代後期
浅葱地御所解文様小袖 絽地 単衣 秋草に虫籠を配し、源氏物語「野分」を表す。 江戸時代後期
白地牡丹に文字文様帷子 麻地 帷子 江戸時代後期
紅地牡丹菊羽団扇文様小袖 綸子地 袷 江戸時代後期
白地藤牡丹杜若文様振袖 縮地 江戸時代後期
10 蝶牡丹文様筥迫 黒茶ビロード地 細川夫人より拝領 江戸時代後期
11 竹梅に鯉文様筥迫 紺ビロード地 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
12 波に千鳥文様定家文庫 紫ビロード地 江戸時代後期
13 松葉に花文様定家文庫 浅葱錦地 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
14 唐花文様紙入 赤更紗地 真如院(貞操院母)細工 江戸時代後期
15 斜縞に蝶文様紙入 茶紫ビロード地 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
16 緋羅紗地腰差煙草入 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
17 白地亀甲文様織懐中煙草入 真如院(貞操院母)細工 江戸時代後期
18 杜若に蝶花笄 鼈甲製 峯姫(細川13代韶邦夫人)より拝領 江戸時代後期
19 藤棚に燕花笄 鼈甲製 江戸時代後期
20 笄・簪・櫛 鼈甲製 江戸時代後期
21 桜樹文青貝机 黒漆地 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
22 貝覆の合わせ貝 七宝繋桐紋蒔絵婚礼調度に附属 江戸時代後期
 松井家の菩提寺である古麓町の春光寺には、歴代夫妻の廟所があります。「松浜軒」「博物館」へお越しになったら、ぜひ春光寺もお訪ねいただき、いにしえびとに想いを馳せるぜいたくな時間をお過ごしください。


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