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 未来の森ミュージアム YATSUSHIRO MUNICIPAL MUSEUM
 
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八代市の文化財
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第2常設展示室



お姫さまの婚礼道具 松井家伝来の婚礼調度や雛人形など
令和6年5月1日(水)〜6月30日(日)

 江戸時代、大名家などの上級武家の姫君がお嫁入りするときは、その家格にふさわしい婚礼道具が調えられました。婚礼の儀式に不可欠な貝桶をはじめ、化粧道具や文房具、香道具など、姫君の生活に必要なさまざまな品がそろえられ、大名家ともなると、金銀蒔絵をほどこしたものが準備されました。
 旧八代城主松井家には、多くの婚礼道具が伝来しています。いずれも蒔絵をほどこした豪華なもので、松井家の家格の高さをうかがうことができます。
作品名 品質・形状 時代
1 貞観院(盈之夫人)像 絹本著色 掛幅装 大島雪堂筆 貞観院(つち、1848〜1893) 近代(19世紀)
2 松井盈之像 絹本著色 掛幅装 大島雪堂筆 盈之(松井家11代、1843〜1916) 近代(19世紀)
3 七宝折崩桐紋蒔絵婚礼調度 銀叢梨子地 現在松井文庫に残る婚礼調度のうち、最も豪華な一揃い。貝桶・厨子棚・黒棚など30種が残る。 江戸時代後期
4 三ツ笹紋唐草蒔絵婚礼調度 黒漆地 貝桶・厨子棚・黒棚など44種がのこる。松井家10代章之と貞操院の間に生まれた長女加屋の婚礼調度と考えられる。 江戸時代後期
5 紅地藤に燕文様掛下帯 紋縮緬地 刺繍 江戸時代後期
6 萌葱地御所解文様小袖 紋縮緬地 九曜紋付 綿入 邸内に唐冠、屏風を配し、謡曲「咸陽宮」を表す。 江戸時代後期
7 古今雛 貞操院(松井章之夫人)遺品 貞操院(琴姫)が章之に嫁いだ翌年に京都麩屋町の幾久屋から5組購入したうちの1組。 天保10年(1839)年
8 桜樹文青貝机 黒漆地 貞操院(松井章之夫人)遺品 江戸時代後期
展示の様子 松井盈之夫妻像と七宝折崩桐紋蒔絵婚礼調度

展示の様子 三ツ笹紋唐草蒔絵婚礼調度


「お姫さまの婚礼道具」鑑賞ガイド(PDF)
令和元年度博物館冬季特別展覧会「お姫さまの婚礼道具」開催に伴い、作成した資料です。

◆松井家歴代の夫人は、次のような方々でした。
当主 夫人 略歴
1 康之
(1550〜1612)
自得院
(1560〜1641)
沼田上野介藤原光長の娘、細川家初代藤孝夫人光寿院の姪。永禄12年(1569)縁組。元和6年(1620)から証人として江戸住。江戸で没す。82歳。
 子供 興之(戦病死)
     興長(二代)
     いと(吉田盛方院妻)
     たけ(長岡右馬助重政妻)
2 興長
(1582〜1661)
古保・恵妙院
(1585〜1658)
細川家二代忠興(三斎)の三女。慶長3年(1598)婚礼。享年74歳。
3 寄之
(1616〜1666)
細川忠興六男
古宇・崇芳院
(1624〜1711)
長岡(三淵)右馬助重政の娘。康之孫にあたる(母は康之娘たけ)。寛永14年(1637)春婚礼。松浜軒はこの崇芳院のために直之が建てたもの。享年88歳。
 子供 直之(四代)
     正之
     万(細川修理尚房妻)
     滝(細川将監興之妻)
     千(早世)
     津屋(長岡左門興知妻)
     国(山名十左衛門重澄妻)
     屋久(裏松宰相意光妻)
4 直之
(1638〜1692)
房・信得院
(1650〜1678)
烏丸大納言藤原資慶の娘。忠興のひ孫にあたる。寛文3年(1663)12月18日婚礼。享年29歳。
 子供 加奈(松木中将宗顕妻、後沢村大九郎友朗妻)
     寿之(五代目)
     万(細川大膳尚方妻)
5 寿之
(1668〜1745)
もと(菅)・慈雲院
(1673〜1751)
長岡左門興知(細川一門刑部家)の娘。元禄7年(1694)4月9日婚礼。享年79歳。
 子供 津勢(長岡丹波是春妻)
     女子(早世)
     布佐(続弾右衛門房曹妻)
6 豊之
(1704〜1771)
ふう・光華院
(1713〜1736)
細川采女正利昌(新田支藩主)の娘。細川家六代宣紀の姪。享保20年(1735)婚礼。初産で母子とも没す。享年24歳。
7 営之
(1737〜1808)
久美・慈明院
(1745〜1765)
長岡(米田)助右衛門是福の娘。宝暦13年(1763)婚礼。享年21歳。
 子供 古宇(長岡刑部興禎妻)
    てる・貞照院
(1753〜1808)
分部若狭守光命(大溝藩主)の娘。明和4年(1767)婚礼(継室)。享年56歳。
 子供 誠之(古城家へ養子)
     男子(早世)
8 徴之
(1766〜1826)
りの・明鏡院
(1769〜1798)
有吉四郎右衛門立喜の娘。寛政元年(1789)婚礼。享年30歳。
 子供 美屋(長岡刑部家興禮妻)
     利代(古城六代目義之妻)
     存之(江戸参府の道中病死)
     女子(早世)
     双子:満喜(郡九郎太郎真紹妻)・多喜(三淵永次郎澄瑞妻)
     八代(九代目督之妻)
9 督之
(1796〜1840)
古城家賀之二男
八代・松月院
(1798〜1831)
松井徴之の五女。文化13年(1816)6月13日婚礼。享年34歳。
 子供 千代(高木健三郎忠顕妻)
10 章之
(1813〜1887)
琴・貞操院
(1813〜1848)
細川長門守興建(茂木藩主)養姪。天保9年(1838)8月13日婚礼。毎年松浜軒に飾られる天保10年(1839)製の古今雛は、この夫人が嫁いで初めての雛節句を祝うため京都で作らせたもの。享年36歳。
 子供 加屋(沢村大九郎妻)・・・天保11年(1840)製の古今雛、三ツ笹紋唐草蒔絵婚礼調度持ち主
     恒(朽木昭清妻)
     盈之(十一代目)
     綏之(大木家へ養子)
     吉(早世)
     直(有馬内蔵助恭秋妻) 
11 盈之
(1843〜1916)
つち・貞観院
(1848〜1893)
細川長門守興建(茂木藩主)の娘。文久2年(1862)11月23日婚礼。享年46歳
 子供 敏之(十二代目)
     こう(有馬守孝妻)・・・元治2年製(1865)の古今雛持ち主
 松井家歴代夫人のうち、もっとも関係品が多く残っている方は、松井家十代目章之夫人の貞操院です。
 貞操院は、細川家初代藤孝の二男興元(三斎の弟)を初代とする下野国茂木藩主細川家の出身で、章之との縁組は細川家十二代斉護の勧めによります。箱書きや包み紙に「貞操院様お持ち越し」「貞操院様おゆつり」と書かれているので、この方の持ち物であったことがわかります。
 また、細川家の家紋である九曜紋や藩主夫人の実家の紋がついた品があることから、藩主夫人から拝領したものも多いことがわかります。実際に、貞操院婚礼の際には、斉護夫人顕光院や十一代斉樹夫人蓮性院、細川九代目治年の娘で京都の久我家に嫁いだ就姫らと面会する機会があり、そうした折にいただくことが多かったのでしょう。拝領品であったためか、ほとんど使用せずに大切に保存されており、当時のままの色あざやかさをまのあたりにすることができます。


◆参考図書 平成16年度秋季特別展覧会「武家の婚礼―八代・松井家のお嫁入り」図録
 松井家の婚礼にスポットをあてた展覧会図録。婚礼調度、女性の身辺を飾った絵画や衣裳、雛人形など、繊細優美な工芸品を115件500点余を収録。A4版・136頁・1,000円(送料350円)
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